過去と現在、金利と不動産価格について

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 さて、今回は住宅ローンの金利のお話しをしたいと思います。現在は史上最低金利が続いており、ネット銀行等や都市銀行等では0.4%台~06%台の住宅ローンがあります。私が2000年ごろにはじめて住宅ローンを「住宅金融公庫」で利用したときは10年固定3%、11年目以降が4%の35年ローンが主流で、10年固定3%を下回れば「安い!」とされていた時代でした。まもなくして今のような銀行ローンが登場したので、すぐに1.475%の変動金利に借り換えしたのですが、それより半分にも満たないような金利で住宅ローンが利用できる状態が続いております。

そこで、当社では4,000万円前後の借入金額で住宅ローンを利用する方が多いので、これを軸にお話しを進めていきたいと思います。


   例えば、4,000万円の借入金額、金利は0.625%、35年ローンの場合の月々の返済額は・・・

   月々106,058円となります。 

   金利変動なしと仮定した35年間の総返済額は44,544,752円となります。

   35年間の利息は4,544,752円となります。(年間129,850円の利息を払う計算です。)


   では、1,500万円の借入金額、金利8%、35年ローンの場合で計算してみたら・・・

   月々106,539円となり、上記のシミュレーションと変わりません。

   上記同様に35年間の総返済額は44,746,435円となります。

   35年間の利息は29,746,435円となり、年間849,898円の利息を払う計算となります。

 いまはじめての住宅購入を考えている方には「金利8%なんてあり得ない!」「事例が極端すぎる!」と思われると思いますが、60代以上の方々は良くご存知でいらっしゃると思います。 


 そうですこれは、昭和50年以前のローン金利となります。また、この時代の門前仲町エリアの物件は当時1200万円~1600万円で分譲されており、現在では中古マンションとして3500万円から4200万円で成約されております。同様の立地で新築マンションであれば6,000万円~7,000万円くらいかと思います。

 厳密には当時は住宅ローンという商品もなく35年もの長期で借り入れもできなかったので、このお話の為に前提条件を合わせる目的で多少のアレンジはしてあります。

 しかしながら、この二つのシミュレーションからあなたは何を読み取りますか?私は以下のように考えております。

〇金利が高くなれば物件価格は下がるし、金利が低ければ物件価格が上がるということか?

〇ということは物件価格が上がっても下がっても月々の返済額も総返済額も変わらないのであれば早く購入した方が有利ではないか?

〇同じ月々10万円の返済といっても、昭和50年以前の大卒初任給は10万円にも満たず、現在の大卒初任給24万円と同列では考えられない。

〇現在価値にあてはめたら、当時の月々返済10万円といっても現在の25万円くらいの返済額に相当するのではないか?

〇当時の金利で返済額を5万円台(現在の12.5万円の返済額)にするには750万円の借入金額で月々53,269円となり、自己資金を750万円は増額しなければならず、頭金がなければ購入できなかったことも頷ける。当時の給与水準から750万円を貯めるという事は現在の2,000万円くらいに相当するのでは?現在で家賃を払いながら2,000万円も貯めるのにどれだけの時間と家賃を支払えばいいのか?

〇現在の金利では頭金を貯めて借入金額を100万円増やしたところで、月々の返済額にしたら2,651円しか安くならないので、100万円を貯めている間に支払う家賃や経過してしまう時間の方が高くついてしまい合理的ではない。

〇そう考えたら当時と現在で物価も物件価格も大きく上がってはいるが、むしろ当時と比べたら安いものではないか?

〇日本では20年以上のデフレを経験したが、歴史的事実を基に、今後も少しずつインフレしていくことを考えたら・・・、すでにインフレの傾向が表れていることを考えたら・・・インフレに強い資産として不動産購入は間違っていないのでは?

〇デフレのときに購入した方は含み資産として利益が大きくなっていると思うが、それは高度経済成長期に不動産購入した現在の60代以上の方と同じようにインフレの恩恵を受けられているということではないか?

〇デフレの時は買いたくても買える状況にない方が多い、「まだ下がる」「買った後に下がるのが怖い」などのバイアスから負の連鎖となり、このときに買える状況にあった方、大多数の方と逆の思考が出来た方、絶対的な必要性があった方は結果的に得をしていることになるのでは?

〇いまの日本においては、長期にわたるデフレからは既に脱却しており、これから始まるであろうインフレに備えて早く不動産資産を築くべきではないだろうか?

〇家賃が発生するような居住形態の方は、不動産投資などとは言わずに、まずは大家さんから自分の住まい(自分の資産の箱)にお金の向かう方向を変えるべきでは?

 色々と挙げてみましたが、今後の事はなかなか想定しづらいものです。しかし過去から現在までの事実から学び、そしてより良い将来むけての心構えや準備をする事は大切です。不動産購入も近視眼的にならず長期的な視野をもって、より合理的かつ気に入った物件を探して頂ければ幸いに思います。不動産のご購入やご売却などはお気軽にお問い合わせ下さい(^^)/

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記事の更新日:2018/07/11

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