【不動産価格の本質を解説】中古マンション価格はどうなるの?

中古マンションの価格推移に興味をお持ちの方は今回の記事は必見です。マンションは築年数や社会情勢によって価格が変動します。具体的にどのように推移していくのでしょうか。そこで今回は、中古マンションの築年数別の価格推移や、価格に影響を与えると予想されていることについて解説します。

本記事は某評論家や各種不動産サイトのように、利害関係者等への忖度はいっさいありませんので、良くも悪くも核心をついた内容となっておりますので必見です。

□築年数別のマンションの価格推移について

マンションは、一般的に築年数が古くなればなるほど価格も低くなっていきます。具体的な例を挙げると、築0年から5年と築31年以降の価格を比較するとおよそ3分の1まで価格が低くなっているというデータが出ています。5年単位でどんどん価格が下がっていくので、築年数には注意していく必要があるでしょう。

□中古マンションに影響を与えると予想されていることについて

築年数以外にも、社会情勢などが中古マンションの価格に大きな影響を与えます。今後中古マンションに影響を与える可能性があると考えられているものにはどのようなことがあるのか解説していきましょう。

*新型コロナウイルス

コロナウイルスは世界に大きな衝撃と影響を与えました。業界内では、一般的には価格が下がると思われたのですが、在宅ワーク等の影響から新たな住宅需要が発生して、供給に対して需要の方が大きくなる現象が起きた為、価格が上がるという結果となりました。

そんなコロナウイルスですが、いったんコロナ需要は落ち着きつつありますし、マーケット全体の在庫量がコロナ前の水準まで戻ってきておりますので、需要と供給のバランスが均衡してきました。以上の事からマンションの価格に与える影響はそれほど大きくないと現在は考えられていますので、これ以上の価格上昇は考えづらい状況です。(2022.9.15現在)

*大恐慌

一般的にITバブル崩壊、リーマンショックといった不景気のときには不動産価格が下がります。このようなときに不動産の購入ができる方は少ないからです。※でも、こんな時が株も不動産も一番の買い時です。

*自然災害

一年中どこかしらで災害が起きている日本。そのような地域の不動産も下がります。しかし、復興が進むと、以前よりもインフラが整備されたりして不動産価格が上がることも珍しくなくなってきました。

*戦争

不動産購入の話は不要です。

*住宅ローン金利

住宅ローン金利は政府による金融政策の影響を受けます。2022年時点では、それほど大幅な上昇は考えにくいとされています。なぜなら、日本はいまだに利上げできる状況にないからです。

金利が上がるとローン返済額増えるので、その増額分が価格に反映されて下がります。金利が下がっても不動産価格が上がってしまうのでローン返済額の負担は変わらないという事になります。

*インフレ ・・・ ここからが本質です。

インフレが進むと不動産の価格も上昇します。昔から不動産は「インフレに強い資産」とされている理由です。

例えば、門前仲町で50年前に新築された昭和47年築のマンションは新築当時の価格で1000万円前後で分譲されておりました。(※ローンで購入しようと思うと金利8%くらいだったそうで、35年ローンで計算すると月々返済71,026円、35年後の総返済額は29,830,956円となります。借入金額1,000万円のおおよそ3倍(+o+))

当時の大卒初任給が月額5万円前後だったことを考えると、とてつもなく高額な買い物であることが分かります。

では、その築50年の物件が現在いくらで流通しているかというと、、、なんとリフォームなしで4000万円前後、パリッとリノベーションされいると5,000万円近くで取引きされているのです。(借入5,000万円、金利0.625%、35年、月々返済132,573円、35年後の総返済額55,680,940円、借入金額のおおよそ1.11倍となります。)

現在の大卒初任給が30万円近いことを考えると如何でしょうか? 昭和の時代では大卒の初任給を全額投入しても足りなかったのに、現在は大卒初任給の半分以下の負担で購入できてしまいます。 なにかのきっかけがあれば、不動産価格は簡単に上昇してしまう懐は残っていると思いませんか? 

さらに、ほんの20年くらい前までは、夫婦共働きが少ないシングルインカムの時代でした。現在は夫婦共働きが前提のダブルインカム時代となっており、世帯収入が格段に上がっております。これを踏まえると不動産価格がさらに上昇できる懐が大きくなってしまいます。

ここまで読み進めて頂くと、販売価格の推移だけを見ても分からない不動産価格について、かなりの本質が見えてきたのではないでしょうか? 

逆に不動産価格が長期にわたって下がってしまうシナリオはあるのでしょうか? 為替の影響も考慮すると、本日は1ドルあたり143.4くらいでした。政府の為替介入についてニュースもあって、実際のところはどうなんでしょうか。現在円の価値が急激に下がっている訳ですが、これは外国から見た日本のものがとても安いことになります。不動産においても海外からの巨額投資マネーの流入があってもおかしくないですよね。不動産が下がったとしても、投資マネーが不動産価格を下支えしてしまう構図があり、この視点から考えても不動産が暴落したり、長期にわたって下がり続ける可能性は低いと言わざるを得ません。

日本も物価が上昇したり、住宅設備などの値上げがされていたりしますが、他の国と比較するとそのレベルはそれほど高くはありません。ただし、景気後退とインフレが同時に起こるスタグフレーションが起こった場合には、不動産の価格は短期的だとしても下落させてしまう恐れはあるので注意が必要です。

□まとめ

今回は、中古マンションの築年数別の価格推移や価格に影響を与えると予想されていることについて紹介しました。

築年数は中古マンションの価格を変動する重要な指標であると思われがちですが、それ以上に長い歴史が物語っている事実に基づき「インフレ」と不動産価格の本質について解説いたしました。

「不動産はいまが買い時」これはいかにも安っぽい不動産営業マンが口にしがちなわけですが、正しく発すれば「不動産の格言」といえると思います。

記事の更新日:2022/09/18

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